
「人が足りないのに、残業させられない」——2024年4月の時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間)が建設業にも適用されてから、現場ではこんな声が増えています。
型枠工事・鉄筋施工・とび(足場架設)・内装仕上げ・左官や塗装など、専門工事を担う中小の建設会社では、外注比率の上昇や採用競争の激化で原価が膨らみ、決算が赤字、あるいは債務超過に転落する例が珍しくありません。そんな中で「特定技能の外国人材を受け入れたいが、審査が通るか不安」というご相談が、KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)にも増えています。
結論からお伝えすると、赤字・債務超過の状態でも、外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受入れは可能です。ただし、直近決算が赤字や債務超過の場合、「改善の見通しに関する評価書面」——通称企業評価書——の提出を求められます。これは中小企業診断士または公認会計士が作成する専門書面で、社内だけで用意するのは簡単ではありません。
あなただけが悩んでいるわけではありません。2024年問題は建設業界全体に降りかかっている構造的な課題であり、同じ壁にぶつかっている経営者は数多くいます。この記事では、2024年問題がなぜ建設業の赤字・債務超過につながるのか、そのうえで特定技能を受け入れるために押さえておくべき3つの注意点を、中小企業診断士の視点から解説します。特定技能の企業評価書サンプルを探している方にも、実務で押さえるべき考え方が分かる内容にしています。
- 2024年問題で職人が確保できず悩む建設会社の社長
- 時間外規制で原価が膨らみ赤字が続く総務担当の方
- 特定技能の受入れ審査が通るか不安な経営管理担当
- 企業評価書を誰に依頼すればよいか分からない社長補佐
- 建設業で2024年問題が赤字・債務超過を招く仕組み
- 特定技能の受入れ審査で問われる財務状況の中身
- 企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)の役割
- 中小企業診断士に依頼するときの3つの注意点
- 無料相談で今すぐ確認できること
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建設業の2024年問題が赤字・債務超過を招く構造

結論から言えば、建設業の赤字化は「人手不足」だけが原因ではありません。時間外労働の上限規制・下請け構造での価格転嫁の遅れ・熟練職人の高齢化という3つの要因が重なり、利益を圧迫しています。次の表で、それぞれが財務に与える影響を整理します。
| 要因 | 現場で起きていること | 財務への影響 |
|---|---|---|
| 時間外労働の上限規制 | 猶予期間が終了し、残業で工期を吸収できなくなった | 外注・応援職人への依存が増え原価が上昇 |
| 下請け構造での価格転嫁の遅れ | 元請けへの工期・価格の見直し交渉が進みにくい | 粗利率が薄くなり利益が残らない |
| 熟練職人の高齢化・人手不足 | 採用競争が激化し、若手の定着も難しい | 採用費・教育コストの増加 |
国土交通省の白書でも、建設業の就業者数はピーク時から3割近く減少していると指摘されています。型枠工事会社や鉄筋施工会社、とび(足場架設)工事会社のように工程の初期を担う専門工事業者ほど、工期のしわ寄せを受けやすいのが実情です。内装仕上げ工事会社や左官・塗装工事会社のように工程の後半を担う業種も、前工程の遅れがそのまま自社の工期圧迫につながります。
中小企業庁の白書でも、建設業を含む多くの業種で原価率の上昇が利益を圧迫している傾向が指摘されています。特に人件費・外注費の比率が高い専門工事業者は、価格転嫁が追いつかないまま完成工事高総利益率が低下し、気づいたときには連続赤字、あるいは債務超過に至っているケースが少なくありません。「忙しいのに儲からない」状態は、精神論や現場の頑張りだけでは解消できず、原価構造そのものを見える化する管理会計の視点が欠かせません。
放置すると何が起きるか
特に採用競争が厳しい型枠工事・鉄筋施工・とび(足場架設)の各分野では、外国人材の受入れを急ぎたい経営者も多いはずです。しかし赤字や債務超過を抱えたまま審査に臨むと、財務状況の説明を求められて手続きが止まってしまうことがあります。この状態を放置すると、次のような悪化シナリオが現実味を帯びてきます。
- 原価上昇分を価格転嫁できず、粗利率が年々低下する
- 資金繰りが厳しくなり、金融機関への追加融資の相談が増える
- 決算が連続赤字・債務超過となり、外国人材の受入れ審査で「改善の見通し」を問われる
実際、特定技能・技能実習(育成就労)の受入れ審査では、直近決算が赤字または債務超過の企業に対し、外国人技能実習機構(OTIT)提出書類「別紙②-1」番号20にあたる企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)の提出が求められます。「特定技能 債務超過」で悩んで検索する経営者が多いのは、この審査の壁があるためです。「外国人技能実習 企業評価書」「企業評価書 フォーマット」といった言葉で情報を探し始める段階の経営者も、実務ではよく見受けられます。
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赤字・債務超過でも特定技能を受け入れる解決の手順

ポイントは3つです。「2024年問題の正しい理解」「財務数値による改善見通しの裏付け」「依頼先を間違えないこと」——この3つの注意点を押さえれば、赤字・債務超過であっても受入れ審査を通す道筋は十分に描けます。まず全体像を、次の表で整理します。
| 注意点 | よくある失敗 | 押さえるべきこと |
|---|---|---|
| 1.2024年問題の理解 | 「人手不足」とだけ説明し原因が曖昧になる | 構造要因と自社固有の課題を切り分けて説明する |
| 2.数値による裏付け | 改善計画が机上の理論値にとどまる | 資金繰り表・利益計画で実行可能性を示す |
| 3.依頼先の選定 | 顧問税理士に相談し様式で止まってしまう | 中小企業診断士・公認会計士に依頼する |
注意点1.2024年問題の中身を正しく把握する
まず自社の赤字要因が「一時的な資材高騰」なのか「構造的な時間外労働規制によるもの」なのかを切り分けます。原因の切り分けができていない企業評価書は、審査官に説得力を与えられません。2024年問題による原価上昇は業界全体の構造要因であり、経営努力だけでは避けられない部分があることを、決算数値と併せて客観的に説明する必要があります。
注意点2.改善の見通しを財務数値で裏付ける
企業評価書は「様式を埋めれば通る書類」ではありません。債務超過の額・借入先・返済条件を具体的に示したうえで、「なぜ改善すると言えるのか」を、資金繰り表や利益計画といった管理会計の数値で裏付けることが求められます。机上の理論値ではなく、実行可能な改善計画であることが審査のポイントです。
注意点3.依頼先を間違えない
ここで特に注意したいのが、依頼先です。「企業評価書 税理士」で検索する経営者の方も多いのですが、改善の見通しに関する評価書面(企業評価書)を作成できるのは中小企業診断士または公認会計士に限られ、税理士は作成できません。顧問税理士がいても、決算書の延長で企業評価書までは対応できないケースが大半です。財務分析と経営改善計画の両方に精通した専門家に依頼することが、審査通過の近道になります。
実務で必要になる資料は、直近の決算書・借入金一覧・返済計画に加え、資金繰り表と今後の利益計画です。これらをただ提出するのではなく、次の手順で整理すると審査官にも伝わりやすくなります。
- 直近3期分の決算書から、赤字・債務超過に至った原因を工事別・原価費目別に分解する
- 2024年問題など構造要因と、自社固有の課題(受注構成・外注比率など)を切り分けて整理する
- 資金繰り表と利益計画を作成し、改善の道筋を数値で裏付ける
- 中小企業診断士または公認会計士が、審査官の視点で評価・書面化する
この3つの注意点を踏まえたうえで、企業評価書(改善の見通しに関する評価書面)の作成支援を専門家に相談することで、決まったサンプルやフォーマットに頼らず、自社の実情に即した説得力のある書面を用意できます。2027年4月に施行が予定されている育成就労制度でも、優良要件や計画認定の判断に財務状況が関わってくるため、今のうちに管理会計を整えておく価値は大きいと言えます。
企業評価書は一度作成して終わりではありません。決算期が変わるたびに数値は古くなり、特定技能の定期報告や在留資格の更新のタイミングでも、改めて財務状況の説明を求められることがあります。「特定技能 決算書」というキーワードで調べる経営者が多いのも、この更新のたびの不安からです。最初から更新を見据えて管理会計の仕組みを整えておけば、2回目以降の書面作成は大きく負担が軽くなります。
ご相談いただいても、その場での契約や、しつこい営業は一切ありません。お断りいただいて構いません。まずは決算内容を拝見させてください。
3つの注意点を押さえた先に手に入る未来

企業評価書を整え、審査を通過した先に見えてくる未来を、3つの軸で具体的に描きます。
数字の軸 利益が残る決算へ
原価構造を可視化し、価格転嫁の交渉材料を持てるようになると、粗利率の低下に歯止めがかかります。管理会計で工事別の採算を把握できれば、赤字工事を早期に見極め、次の受注判断にも活かせます。売上の大きさではなく、手元に利益がいくら残るかを判断基準にする経営へ切り替わることが、最初の変化です。
具体的には、工事ごとの実行予算と実績を突き合わせ、原価が膨らんだ工程を特定します。型枠・鉄筋・とび(足場架設)といった工程は特に外注費の変動が大きいため、月次でずれを把握できる仕組みがあるだけで、決算時の「想定外の赤字」を防ぎやすくなります。
時間の軸 採用と工程の安定
特定技能人材が加われば、外注や応援職人への依存度が下がり、工期の見通しが立てやすくなります。時間外労働の上限を守りながら工程を組めることは、若手職人の定着にもつながります。人手不足を理由に受注を断る、あるいは無理な工期で品質を落とす、といった悪循環からも抜け出しやすくなります。
採用と教育に一定の時間を投資できるようになれば、特定の職人一人に工程が依存する属人的な体制からも脱却できます。担い手が複数いる体制は、急な欠員や退職があっても工期への影響を最小限に抑えられます。
関係性の軸 金融機関との信頼
債務超過であっても、改善計画を数値で説明できる企業は、金融機関からの見え方が変わります。「行き当たりばったりの経営」から「見通しを持った経営」へ。取引先や元請けとの関係も、安定した施工体制があってこそ強くなります。
決算の内容を自分の言葉で説明できる経営者は、金融機関の担当者からの印象も変わります。追加融資の相談や返済条件の見直しといった場面でも、企業評価書で整理した改善計画がそのまま説明資料として役立ちます。
原価が残り、人が定着し、金融機関や取引先からの信頼が積み上がる。この状態を、共に手に入れましょう。
自社だけで進める限界と、KICKコンサルティングの支援

ここまで読んで「自社だけで企業評価書を用意できるだろうか」と感じた方もいるかもしれません。実際、財務分析・改善計画の策定・審査官が納得する書面化という3つを同時にこなすのは、片手間でできる作業ではありません。専門性の壁に加え、決算期をまたぐと数値が古くなり、作り直しが必要になる時間コストも見過ごせません。だからこそ、外部の専門家に任せる経営者が増えています。
KICKコンサルティング株式会社(銀座本社)は、中小企業診断士・MBA(経営管理修士)である代表の松本昌史が、認定経営革新等支援機関(中小企業庁)として150社以上の法人を支援してきた実績を持ちます。決算書の読み解きから、債務超過に至った原因の整理、改善計画の数値設計、企業評価書の書面化まで、一気通貫で伴走します。
支援の中身は、企業評価書の作成だけにとどまりません。原価管理の仕組みづくり、工事別の採算管理、資金繰り表の整備、金融機関への説明資料の作成まで、経営改善そのものを伴走支援します。単発の書面作成で終わらせず、「その後も利益が残る会社であり続けること」を見据えて支援するのがKICKコンサルティング株式会社(銀座本社)の姿勢です。
また、特定技能は定期的な報告や在留資格の更新があり、企業評価書も都度アップデートが必要になります。初回の作成時に管理会計の仕組みまで整えておけば、更新のたびに一から資料を作り直す負担を減らせます。監理団体側が債務超過のケースでも、同様の視点で評価書面の準備を支援できます。
建設業は元請け・下請けの力関係や、天候・工期による稼働の波など、業種特有の事情が多い業界です。型枠工事・鉄筋施工・とび(足場架設)・内装仕上げ・左官や塗装のように、担う工程によって原価構造も採算の取り方も異なります。一般的な経営改善の型を当てはめるのではなく、自社の工事構成に合わせて改善計画を組み立てることが、審査官にも金融機関にも伝わる企業評価書につながります。
建設業のように、元請け・下請けの力関係や工期の制約といった業界特有の事情がある場合ほど、業種の実情を理解した専門家に依頼する意味は大きくなります。売上ではなく利益が残る構造に変えることが、外国人材の受入れ審査を通す近道でもあります。
ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。1社ごとに時間をかけて状況を伺うため、その場でのご契約やしつこい営業もありません。お断りいただいて構いません。
よくある質問

Q. 企業評価書とは何ですか。
A. 外国人技能実習(育成就労)・特定技能の受入れ審査で、直近決算が赤字や債務超過の企業に提出が求められる「改善の見通しに関する評価書面」の通称です。OTIT提出書類の別紙②-1・番号20にあたります。
Q. 建設業の2024年問題とは具体的に何ですか。
A. 2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間)が適用されたことを指します。猶予期間が終わり、人手不足のまま工期を守る必要が生じ、原価上昇につながっています。
Q. 赤字や債務超過でも特定技能の受入れは可能ですか。
A. 可能です。ただし、改善の見通しに関する評価書面(企業評価書)の提出が必要になる点に注意してください。改善計画に説得力があれば、審査を通過している企業は数多くあります。
Q. 企業評価書は誰が作成できますか。
A. 中小企業診断士または公認会計士に限られます。税理士は決算書の作成には関わっていても、改善の見通しに関する評価書面(企業評価書)は作成できません。
Q. 企業評価書に決まったサンプルやフォーマットはありますか。
A. 公的な統一様式はありません。決められた欄を埋めれば通るものではなく、自社の債務超過の原因と改善の根拠を、財務数値で具体的に説明することが求められます。
Q. 債務超過理由書と企業評価書はどう違いますか。
A. 債務超過理由書は原因を説明する書面、企業評価書はそれに加えて改善の見通しまで第三者(中小企業診断士等)が評価した書面です。実務ではセットで準備することが一般的です。
Q. 育成就労制度が始まると何が変わりますか。
A. 2027年4月に施行が予定されている育成就労制度では、優良要件や計画認定の判断に財務状況が関わる見込みです。今のうちに管理会計を整えておくことが将来の備えになります。
Q. 企業評価書の作成にはどれくらいの期間がかかりますか。
A. 決算内容の精査から改善計画の設計まで含めると、数週間単位の期間を見込むのが一般的です。決算期をまたぐと数値の作り直しが必要になるため、早めの相談が望ましいです。
Q. 監理団体側が債務超過の場合はどうなりますか。
A. 監理団体自体が債務超過の場合も、同様に改善の見通しに関する評価書面の提出を求められることがあります。受入れ企業とは別に、監理団体側でも財務状況の説明が必要になる点に注意してください。
Q. 相談から企業評価書完成までの流れはどうなりますか。
A. まず無料相談で決算内容と受入れ状況を伺い、次に改善計画の数値を一緒に整理し、最後に書面化する流れが基本です。専門家が伴走するため、社内だけで様式に悩む必要はありません。
Q. 特定技能(建設分野)ならではの注意点はありますか。
A. 建設分野は一般的な受入れ要件に加えて、建設業ならではの独自の手続きが存在します。財務要件だけでなく、こうした手続き面も含めて確認しておくと、審査全体を見通しやすくなります。
Q. 顧問税理士がいれば企業評価書は不要ですか。
A. 不要にはなりません。顧問税理士は決算書の作成や税務申告を担いますが、改善の見通しに関する評価書面(企業評価書)は中小企業診断士または公認会計士でなければ作成できないためです。顧問税理士とは役割が異なる点を押さえておく必要があります。
まとめ
建設業の2024年問題は、時間外労働の上限規制・価格転嫁の遅れ・人手不足という3つの要因が重なり、赤字や債務超過を招きやすい構造的な課題です。特定技能の受入れ審査では、この赤字・債務超過に対して「改善の見通しに関する評価書面(企業評価書)」の提出が求められます。
押さえるべきは、原因の切り分け・数値による裏付け・依頼先を間違えないという3つの注意点でした。売上ではなく利益が残る構造に変えることが、審査通過だけでなく、会社そのものの体質改善にもつながります。
2024年問題は今後も続く構造的な課題であり、来期以降も同じ壁に向き合う建設会社は増えていくと考えられます。だからこそ、目先の審査対応だけでなく、原価構造そのものを見直し、利益が残る体質に変えていくことが、外国人材の受入れと会社の存続の両方にとって欠かせません。企業評価書の作成は、その第一歩を数値で確認する機会でもあります。
まずは現状を整理するところから始めてみませんか。ご相談いただいても、売り込みは一切ありません。お断りいただいて構いませんので、まずは決算の状況をお聞かせください。
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